投稿

12月, 2025の投稿を表示しています

ひざ掛けの安心(2025年12月7日)

イメージ
12月7日 メンタルウェルネス 一日一話  冬の冷え込みが増してまいりますと、室内におりましても足先や肩がひんやりと感じられることがございます。そうした折、一枚のブランケットをそっと膝にかけるだけで、驚くほどの安心感が広がってまいります。  布のあたたかさというものは、まこと不思議な力を持っております。身体が温もるばかりでなく、気持ちの緊張までふっとゆるんでいくのであります。「ああ、守られているな」というような、小さな包まれ感が生まれる。子どものころ、毛布にくるまって眠ったときの、あの安心した感覚を思い出す方もおられるでしょう。  仕事の合間でも、家での休憩でもよろしい。ひざ掛けをかけ、ゆっくりと深呼吸をしてみる。それだけのことで、心が静かに整ってまいります。忙しい日々では、どうしても“がんばり続ける自分”に意識が向きがちでありますが、こうした小さな温もりが、自分を大切にする姿勢をそっと思い出させてくれるのであります。  冬の午後、ふわりとやわらかな布に包まれるひととき。それは、心にそっと余白をつくり、今日という一日をもう少しやさしくしてくれる、ありがたい時間なのでありますな。 7 December Mental Wellness One Thought a Day — The Comfort of a Lap Blanket —  As winter’s chill grows deeper, even indoors the feet and shoulders can feel a quiet cold. In such moments, placing a single soft blanket over the lap brings a surprisingly gentle sense of comfort.  There is a curious power in the warmth of fabric. It does more than warm the body; it loosens the tension held in the mind. A small feeling arises—“I am being cared for”—a sense of gentle protection. It may even reca...

香りのひと休み(2025年12月6日)

イメージ
12月6日 メンタルウェルネス 一日一話  冬が深まってまいりますと、外の空気はいっそう冷たさを増してまいります。気温ばかりでなく、心までどこか冷え込んでしまうように感じられる日もあるものでございます。そうした折、一つの“香り”が心をふっと緩めてくれることがあるのであります。  家に帰り、コートをかけてふうっと息をついたその瞬間、ふわりと漂うお気に入りの香り。アロマでも、お茶でも、柔軟剤の香りでもよろしい。「ああ、これは好きな香りだな」と思うだけで、張りつめていた肩が少しずつ下りていくのであります。  香りというものは、記憶と結びつきやすいものでございます。安心できた時間、楽しかったひととき、落ち着けた場所——そうした“よい記憶”が、香りを通してそっと心に戻ってまいります。それはまるで、「あなたは大丈夫ですよ」と優しく声をかけてくれているかのような、ありがたい働きでございます。  寒い季節だからこそ、自分のために小さな香りをひとつ選んでみる。たったそれだけのことが、今日という日を思いのほか温かくしてくれるのでありますな。 6 December Mental Wellness One Thought a Day — A Pause with Fragrance —  As winter deepens, the air outside grows sharper and colder. There are days when it feels as though not only the body but the heart itself is touched by that chill. In such moments, a single gentle fragrance can soften the spirit more than we expect.  Returning home, hanging up one’s coat, and releasing a quiet sigh— in that instant, a familiar scent drifts softly through the air. Whether it is an aroma, a cup of tea, or even the fragrance of fre...

灯りのある時間(2025年12月5日)

イメージ
12月5日 メンタルウェルネス 一日一話  冬が近づいてまいりますと、夕方の訪れがぐっと早うなります。外から帰ってみますと、部屋が暗いままというのが、どこか寂しく感じられる日もあるものでございます。そうしたときこそ、「灯りのある時間」を大切にしたいものであります。  部屋の灯りをすべてつける必要はございません。小さなテーブルランプや、ほのかに照らす間接照明で十分であります。やわらかな光をひとつ灯すだけで、空間があたたかい気配に包まれ、心にあったこわばりがふっとゆるんでいくのであります。  光というものには、人の気持ちを落ち着ける、不思議な力がございます。明るさそのものだけでなく、「自分のためにつけた灯り」であるという、その行為が心をほんのりとやさしくするのであります。慌ただしい一日であったとしても、家に帰って灯りをともした瞬間、「ここで休んでよろしい」と、身体が静かに受け入れていくのであります。  寒い季節は、気持ちが内側へ閉じこもりやすい。だからこそ、静かな灯りをひとつともして、自分の心にも“小さな焚き火”をつくるのであります。それだけのことで、今日という一日が思いのほかあたたかく締めくくられていくのでありますな。 5 December Mental Wellness One Thought a Day — A Time with Gentle Light —  As winter nears, the arrival of evening comes markedly earlier. There are days when returning home to a darkened room brings a faint sense of loneliness. It is precisely on such days that we ought to cherish “a time with light.”  There is no need to illuminate the whole room. A small table lamp or the soft glow of indirect lighting is more than enough. By lighting even a single gentle lamp, the r...

手を温める時間(2025年12月4日)

イメージ
12月4日 メンタルウェルネス 一日一話  冬がゆっくりと深まってまいりますこの時期、外に出るたびに手先が冷え、指先の感覚が薄れてしまうことがございます。急ぎ足で歩いておりますと、自分がどれだけ緊張していたかにも気づきにくいものでありますな。ゆえに今日は、「手を温める時間」をほんの少しつくってみるのであります。  コンビニのホットドリンクでもよろしいし、家を出る前にマグカップをそっと握るだけでもよい。手に伝わるそのあたたかさは、意外なほど心にも広がっていくものであります。  不安なときや疲れているとき、人は無意識のうちに肩や背中に力を入れてしまう。しかしながら、手が温かいというだけで、身体の緊張はふっとゆるむものであります。すると呼吸も深まり、考えごともすこし軽うなるのであります。  “心は体に宿る”という言葉がございますように、手に戻ってきた温度は、そのまま心の落ち着きへとつながってまいります。慌ただしい一日の途中に、手をじんわり温めながら「大丈夫、落ち着いていこう」とそっと自分に声をかけてみる。そうした小さな習慣が、冬という季節をいっそうやさしくしてくれるのであります。 4 December Mental Wellness One Thought a Day — A Moment to Warm the Hands —  As winter deepens, the cold nips more sharply at the fingertips each time we step outside. In the rush of moving from place to place, we often fail to notice just how much tension we have been carrying.  That is why today’s practice is simple: make a small moment to warm your hands.  A hot drink from the convenience store will do, or gently holding a warm mug before leaving the house. The warmth that spreads th...

深呼吸のひととき(2025年12月3日)

イメージ
12月3日 メンタルウェルネス 一日一話  年末に向けて、街が日に日に慌ただしさを増してくる頃でございます。気がつかぬうちに、心もまたせわしなく歩みを速めてしまいがちであります。メールの返信、仕事の締め切り、買い物のあれこれ——頭の中は常に「次のこと」でいっぱいになってしまうのでありますな。  だからこそ、今日の習慣は「深呼吸をひとつ、意識してすること」でございます。  深呼吸と申しましても、ほんの十秒でよろしい。駅へ向かう途中の横断歩道でも、デスクに座ったままでも、湯気の立つカップを手にしたときでも。大きく吸い、ゆっくり吐く。そのひとときだけは、世界をいったん止めてもよいのであります。  不思議なことでありますが、深呼吸をひとつするだけで、肩に入っていた余分な力がふっと抜けていく。「いま、ここ」に戻る感覚がよみがえり、心の奥のざわつきも、すこしやわらいでいくのであります。  忙しさの中で自分を見失いそうになるときほど、深呼吸は小さな「帰る場所」となる。今日を落ち着いて歩むための、静かなぬくもりの習慣でありますな。 3 December Mental Wellness One Thought a Day  As the year draws to a close and the town grows busier by the day, the heart too begins to move at a hurried pace without us even realising it. Replying to emails, meeting deadlines, writing shopping lists—our minds are forever crowded with “what comes next.”  For that very reason, today’s practice is simple: take one deliberate deep breath.  It need not take more than ten seconds. At the crossing on the way to the station, seated at your desk, or while holding a cup tha...

ぬくもりを渡す日(2025年12月2日)

イメージ
12月2日 メンタルウェルネス 一日一話  冬が深まり始めますと、人の表情というものも、どこか硬うなりがちでありますな。朝の通勤電車でも、皆が肩をすぼめ、視線を足元へ落としている光景をよく見かけます。そうした中で、ひとつの小さな行いが、思いのほか心をあたためてくれるのであります。  今日の習慣は、「ぬくもりをひとつ渡すこと」であります。むずかしいことではございません。誰かに軽く会釈をする、エレベーターの扉をそっと押さえてあげる、レジで「ありがとう」と一言添える——その程度のことでよろしい。  それだけのことながら、返ってきた笑顔や軽い会釈が、こちらの心までもふわりと明るくしてくれるのであります。冬の冷えた空気の中にあっても、人と人との間に生まれるその温度だけは確かであり、静かに心に残るものでございます。  あたたかさというものは、自分から少しだけ差し出してみますと、不思議と自分にも戻ってくる。今日という日をやわらかくする、小さなぬくもりの習慣でございますな。 2 December Mental Wellness One Thought a Day  As winter deepens, people’s expressions tend to grow a little tense. On the morning train, many huddle with their shoulders drawn in, their eyes cast downwards. In such moments, a single small gesture can warm the heart far more than one might expect.  Today’s practice is simple: offer one piece of warmth to someone. Nothing grand is required. A slight nod, holding the lift door for a moment, or adding a gentle “thank you” at the till—that is enough.  And yet, those small gestures often return to us...

心をあたためる始まり(2025年12月1日)

イメージ
12月1日 メンタルウェルネス 一日一話  12月に入り、空気がいよいよ冬の色を帯びてまいりました。街を歩いておりますと、吐く息が白く揺れ、手のひらに触れる風もひんやりと冷たくなる。そうした季節でございますからこそ、心をそっとあたためる習慣を持ちたいものでございます。  まず今日は、「ひと呼吸の時間」をつくってみることであります。コーヒーやお茶をゆっくりと口に運びながら、その温かさが胸の奥へ広がっていくのを静かに味わう。ただそれだけのことが、肩に入っていた余分な力をふっと抜いてくれるのであります。  忙しさに追われておりますと、自分に優しくすることをつい忘れてしまいますな。しかしながら、こうした小さな“あたたかさ”というものは、確かに自分を支えてくれる大切な力となってまいります。  日々の喧騒の中にあっても、温かい飲み物ひとつで気持ちというものは変わる。今日という一日を穏やかに整えるための、小さな習慣の始まりでありますな。 1 December Mental Wellness One Thought a Day  With the arrival of December, the air has begun to take on the colours of winter. As I walk through the town, my breath turns white in the cold, and the wind that touches my hands carries a clear chill. It is precisely in such a season that we might wish to cultivate a habit of gently warming the heart.  Today, let us begin simply by making space for “a single quiet breath.” As you slowly sip your coffee or tea, allow the warmth to spread softly through your chest. That alone is enough for the tension gathered in your sho...